ゴクヒン

2年前の夏、大阪在住の友人SM氏が 北海道へツーリングに出かけるため 敦賀に向かう途中に我が家に寄ってくれた。
札幌にいるころの 夫婦二人共通の友人。
前日夜に 「明日昼頃に・・・」との連絡が入り 大あわて。

まず、急ぎ部屋の片づけ、そして昼食は何を・・?と思ったけれど あまり大したものもない。
近くの店で 魚を購入してきて 手まり寿司と 少しの煮物、お吸い物を なんとか彼がここに着く前に用意した
「せっかく 久しぶりに来てくれたのに 大したものもなくて…」と恐縮すると 食事をしながら お互いの子どもの頃の食生活の話になった。

私たち二人もSM氏も子どもの頃 大家族。
まず子供の頃 常におなかが減っていた~・・・と言うのは共通する。

「じゃがいも,買って来い、と言われ じゃがいもだけの 食事・・」
「納豆を混ぜた入れ物に付いているネバネバに ご飯を入れて混ぜて食べたかったのに 妹に先を越され、大泣きした・・・」
「昼もニシン、夜もニシン、明日もニシン、それだけ・・・・あのころニシンが大豊作の時期があったからな~」
「庭のオンコ(イチイ)の木の実を採ってざるに入れ ハラの足しになるような実でもないのに 一個一個、兄達と分け合って食べた」
「梨の木が植わっていたが  他の者に採られないよう まだ青いうちに採りに行き 自分で皮をむいて食べた~・・・」
「遠足だって 弁当は梅干しおにぎりだけだよ.水筒には水・・・・」
「皆が苦手だと言って鼻をつまみながら飲んでいた人もあったけれど 脱脂粉乳でさえ、俺はおいしかったよなぁ~」
   
     etc. etc. ・・・・でてくる 出てくる 

「おやじが 転勤ばかりで まだ官舎が決まっていないうちに引っ越し よその家の二階の6畳間に
家族8人寝たこともある」
「冬 寒いから 窓には外からビニールで覆い、 中からは隙間風が入らないよう 新聞紙をはさんでいた~」
「風呂なんか 2,3日に一回しかわかさないし、狭い風呂桶に 8人も入るんだから・・・」
「バスタオルなんか皆で同じ一枚使っていたよね~・・・」


その後わが夫の次の一言に SM氏が言ったヒトコトで 大爆笑! 
                              チャンチャン!!(*^_^*)


夫「バスタオルどころか 歯ブラシも全員同じのを使っていた~~」・・・・・・????
SM氏「まさか~ ゴクヒンのSM家でもそれはなかった~」


あの時以来、我が家では ことあるごとに「ゴクヒン」という言葉が飛び交い 二人で大笑いしてしまう。

確かにあのころは我が家も食料の調達に大変だったようで  非農家だったし 「毎日何を食べさるか頭を悩ませていた」という話を 母から後年何度か聞いたことがある。

でも考えてみると あの時代は どこの家もそう変わらなかったのだろうと思う。

友人の中には応接間にピアノがある家もあったし 遊びに行ったら歳の離れた姉上の 手作りのババロア(もちろん私は初めて食べた~)が出てきてびっくりしたこともあるけれど そういう家の方が例外に近く どこのうちも同じように貧しかったなぁ~。
 制服ではないのに一年中同じ服を着て黒光りしている友人もいたし またある人は冬のゴム長靴をくるぶしのところでちょん切り それを夏の間履いている、人もいた。

クリスマスプレゼントだって 靴下など必需品だけだったし お正月だってそれほどのごちそうではなかったけれど 冬休みのあのワクワク感は!!! 

今思うと 無邪気だった自分が いとおしくかわいらしい。
本当にあのころは何も思わず幸せだったなぁ~~ 子供時代っていいなぁ~





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