この世の理不尽

役所広司の演技を見たいし 是枝裕和監督も好きなので 見に行きたいとずっと思っていてやっと見ることができた。

見終わって 頭の中は??と ❓がいっぱい状態。

私はどうも単純な話しか理解できないような頭になっているみたいで・・・・
殺人罪で起訴されている役所演じる三隅も次々と証言が変わるし 被害者の娘も 法廷では弁護士に話した内容とは違う証言をするし・・・・

ただガラス一枚を隔てて 被疑者と弁護士役の福山雅治が話す場面が何度も出てくるが
徐々に 緊迫した場面でありながら 心を通い合わせる様子が分かってその描き方はすばらしい、と感じた。

法律という同じ船に乗った司法制度も 時間の制限がある中で都合の良い解釈、ありとあらゆる身勝手な方法で 一体何が真実か 誰が正しいのかわからないままに 進んでいる事象が世の中にはたくさんあるみたいで、この世の理不尽!!ということを感じさせられた。
何が正しいのか、何を信じるのかで 見方が変わってくる。

死刑制度についても 少し考えてしまった。

この映画を司法に携わっている人はどのように感じながら見るのだろうか・・・・

よく冤罪で何年も拘留されていた人が 無罪を訴えて再審され 勝ち取ることがあるが 
我々もマスコミの報道のみで判断するのは すごく危険を伴う、ということをひしひしと思った。
オームの松本サリン事件で 被害者の河野氏を最初は犯人と決めつけてしまっていたあれが良い例である。苦い経験だ。


4年前に同じ是枝監督、福山雅治主演の映画「そして父になる」を見た。
その時にも 見終わってから この先二人の子供は??と 考え 自分の中で考えていたことと 同じくこの映画を見た友人と 感想など述べながらいろいろ話したが 考えが全く逆だった。


是枝監督は そのように 余韻を残す・・と言うか観賞したものに 考えさせるというか・・こういう手法をとるのかな。

余談だが
「そして父になる」では 二人の父に福山雅治、リーリーフランキー
「三度目の殺人」では 二人の弁護士に福山雅治、吉田鋼太郎

吉田鋼太郎のことを知らなかったので 映画を見ながら 「是枝さんは よほど二人の組み合わせがお好きなんだなぁ」と思っていた。
私は顔を覚えるのは苦手な方ではないと思っていたが リリーさんと吉田さんは同じ人と思ってしまっていた…・"(-""-)"

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