いっぽ

ラジオ深夜便で 素敵な声で話しておられる女性の声に聞きほれた。
深夜便は 眠れない人や早くに目が覚めてしまった人に聞いてほしい と言う放送だろうと思うが 度々 むしろ聞き逃さないように しっかり目が覚めてしまう。

50歳の女性がこんな話をしていた。
三番目のお子さん(おとめちゃん)が重度障碍者で  口唇口蓋裂を持ち 眼球が全くない、手足にも奇形もあり 知能の状態もわからなかったそうである。 
「おなかの中で自分はこの子に何をしてしまったのだろう」と 罪悪感になやまされ、 出産後 何日も泣いて泣いて暮らしたそうである。

おとめちゃんは 幼い頃には入退院を繰り返し 少しずつ食べることもできるようになっていくが 世間の冷たい視線や 『親のせいでこんな子が生まれた』などの 心ない言葉も浴びながら 二人の上の子も育てていき 試行錯誤を繰り返していく中で「この子の笑顔はこんなに素敵!!」と気付く。
そして
自分がいなくなっても世の中でこの子が育っていく環境を何とかしてつくりたい」 と言う思いでがんばっている中、 いろいろな人との出会いで 今回 高知県に重症児のディサービス施設『いっぽ』の建設を実現した、と言うのだ。

そして こんなことも言っていた。
「日々育てている親だけが感じることかもしれないが 重度の障害を持っていても 必ず少しずつでも成長していることを感じさせられる(◎まばたきができるようになった◎笑顔が・・などなど)」
この子がいたから たくさんの人と出会えて 自分も成長させられた

最後にインタビュァーの 「お母さんにとって おとめちゃんは どんな存在ですか?」に対して 「師匠です」と。


たしかに
いろいろな人との出会いは大切で 自分を成長させてもらえる、と感じることが最近は多い。
  
   ☆☆☆   ☆☆☆   ☆☆☆

奇しくも この日は友人(71)のお見舞いに行く予定にしていた。
難病のため この春左足の膝から下を切断した女性の所である。
県外に入院していたが 近くに転院してきたので 他の二人の仲間とともにやっと出会いに行ってきた。
以前、静脈瘤で手術した時にも治りが悪く他の所からの皮膚を移植したし、これまでにもよく分からない病で入院することの多いこの友、「膠原病」の一種らしい。
肺高血圧も併発していて あまり聞いたことのない症状だし  右足指も痛みが取れず 様子をみて 右足も切断することもあるかもしれない、らしい。
彼女の前で泣くわけにはいかないが 自分たちの方が 胸の中、涙でいっぱいになりそう・・・・
彼女は淡々と話してくれ 「肺高血圧の薬はオプスミットといって 一錠14.000円するの、それを毎日飲んでいるけど難病指定だから 病院に払うお金は ひと月たったの〇〇円」 などと明るく。
彼女は以前手術を控えてビクビクしている人に「大丈夫!だいじょうぶ! なんでも経験よ、どんなふうにするか体験すると思ったら楽しみになるでしょー」というようなことを言って励まし 「うわー こういう言い方もあるのねー」と思ったものだが おそらくかなり気丈なのだと思う。
20年ほどの付き合いだが 気丈で明るい人だけれど見栄をはる人でもないことはよく分かっているので すんでしまったことはくよくよしてもしょうがないと思っているのだろうと思う。

この先、義足を作ったり 家の中も車いすも使えるように改修していかなくてはならない等 色々かかえているので せめてスムーズに事が運んでほしい、と思う。


  ☆☆☆   ☆☆☆   ☆☆☆

最近 いつも登っている山に来ている女性、肺がんを患っているそうだが とても明るく「山に行っている話をしたら ドクターが『いいことをしているね―』 と言ってくれた。 気持ちがいいから これで二十数日連続登っている」と。
「山で出会う人に 『楽しそうに登っているね―』と言われるけれど この夏、家でごろごろしていたころと比べて 楽しくて気持ちの良いことをしているのでおのずと楽しそうに感じてもらえるのだろうと思う」などとも。

「体調が悪い時にはくれぐれも無理をしないように‥ね」と話したが すでに抗がん剤の副作用で毛髪が抜けたこともあったらしい(現在はきちんと生えている)
どういう治療をしたかも話してくれたが もちろん完治しているわけではなく、多くの不安も抱えていると思うが 最近出会ったばかりの私にまで明るく話してくれるのには びっくりするというか感心するというか・・・ 性格なのだろうか?それとも病気の時にはむしろ明るく話すことによって ご自分の不安を少しでも緩和させているということだろうか。

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