ボランティアとは
進行性筋ジストロフィーという難病を患っている鹿野靖明さんは 小6の時に発症し18歳の時には足の筋肉の衰えにより 車いす生活となる。 32歳の時に 拡張型心筋症との診断を受ける。 札幌市在住。 以来 一人では何もできず常に誰かの世話にならなければならなくなるが 『 生きたい 健常者と同じ生活をしたい 』という 強い思いをもち ボランティアに24時間体制で付き添ってもらいながら 「親に負担をかけられない」という思いから 自立 しようとする。 ボランティアの募集も 自ら車いすに乗って出かけ、チラシを配り 学生や主婦その他様々な人とかかわりあって 葛藤しながらも 過ごしていく。 体位交換も常に必要で 慣れないボランティアに 「へたくそー帰れー!!」など悪態をつきながらも 延べ数百人のボランティアとかかわっている。 この本の題名は 寝つきの悪い鹿野さんに夜中でも「あれせー これもしてくれー」と言われながら関わってきた ボランティアの声である。 「ジュース飲みたい」「週刊誌を買ってきてー」「たばこー」と次々 要求してくるが それが「ワガママ」というものかどうかということも ボランティアたちも 考えるようになっていく。 「どうして自分がこの人を介助するのか」など たえず自問自答しながら 関わっている。 あまり詳しくはわからないが 筋ジスとは 徐々に進行し、その患者さんは 「申し訳ない」「ありがとう」という気持ちで 世話してもらっているイメージだった。 鹿野さんは違う。 『 生きたい、死にたくない、当たり前の生活をしたい 』という気持ちを前面に出し 要求し 新しくボランティアになる人にご本人自らが 体位交換の仕方や 痰の吸引の仕方を指導している。 ボランティアたちも「なんで文句言われるんだ」と傷つきながらも 次第に心通わせ 卒業後福祉関係の仕事につく人も大勢いたり また『 生きる意味 』を学んだりしている。 鹿野さんは アメリカに行きたいため 英検も受けている。この意欲!すごい。 ボランティアに来る女性に何度も恋もし、失恋もする。 介助してもらって生活していることをのぞけば 全く健常者と変わらない。 「 どんなに重い障害があっても 人工呼吸器をつけていても当たり前に暮らせる世の中にするために頑張る」と。 満42歳で