大切な家庭科

高校の英語教員として3年間過ごし、その後生活上の必要性を感じ 家庭科の教員になった男性が 実際に生徒に家庭科を教え、そのやりとりを楽しく面白く記録し、「ジュニア新書」として出版されたもの
いわゆる受験科目としての主要科目ではない「家庭科」が 実は生活していくうえで とても大切なものである、ということを気付かせてくれる。
本来勉強は入試のためにするものではなく 「より豊かに生きていくために学ぶもの」であり そう考えると 家庭科の重要性がよく分かる。
筆者は昭和33年生まれで そのころの高校生は 女子が家庭科を学んでいる時間には
男子は体育をやっていた、というような時代。
そういえばそれよりも10歳以上、上の私の世代も家庭科は女子だけのものだった。

10代に向けての本であるが すごく考えさせられたリ、納得させられる部分もあった。 

自分の暮らしを自分で整える力を「生活力」と呼び 生活力があれば 毎日を気持ちよく暮らせ、少々のことではへこんだり折れたりしない、と。

この社会は一人で生きることができるわけはなく、他者との兼ね合いで成り立っているものであり、ご飯の炊き方、お金の使い方、時間の使い方など 自立するためには 多方面からの多くの経験から成り立つものであることを さりげなく10代に伝える本だと思う。

とても 面白かったのは 『家族と聞いて頭に思い浮かぶのはどういう人でしょう?』と生徒に問いかけ、
「10年以上一緒に暮らしている次のような場合は家族かどうか」
●お父さんとこども
●おじいちゃんと孫
●友達同士
●結婚していない二人
●養子の子供を迎えた暮らし
●おじいちゃんとおばあちゃんと猫
などのようないろいろな課題を与え 生徒たちに「家族と思うか思わないか」を めいめい話させる部分。
上手な授業の進め方に感心させられた。

また、将来働くことになると思うが『なんのために働くか』ということもトコトンつきつめて考えさせ 単にお金を得るためではない、ということを気づかせ 議論を進めている。

そしてこの社会は 役割を分担しあってお互いができないことを補い合っていくことで成り立っていること、などを話し  現在の過労死するほど働くする人もいる一方、正規の仕事に就けない人も多くいるこの状態の異状さを指摘し 社会の仕組みを考えさせている。



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