かこさん
子どもたちに絵本の楽しさを教えてくれたかこさとし(加古里子)さんが92歳で亡くなられた。
ほんの数か月前にもラジオで お声を聞いていたので とても残念だ。
かこさんは 東京大工学部を卒業されている。
少年時代軍人にあこがれていたかこさんは 戦後【子どもたちは自分のような判断の過ちを起こさないように】との思いから 自作の紙芝居をよく見せたそうである。
私が子育て中 様々な絵本に出会ったが 加古さんの本は一種独特の雰囲気を持っていた。
そして 細部にわたるまで細かい表情、思いがけない突飛な題材で どの絵本も子供ももちろん 大人になっていた自分も楽しめた。
「だるまちゃんとてんぐちゃん」や「だるまちゃんとかみなりちゃん」など だるまちゃんシリーズは 真っ赤なだるまちゃんは愛らしく 幼い子供の好奇心をくすぐり 細かいところまで描かれていてそんな絵は その都度 その変化に子どもたちは気づき喜ぶ。
「おはなしのほん」シリーズの 「どろぼうがっこう」には仰天した。
これは 白黒で走り書きしたものの紙芝居を子どもたちに見せたところ、とても喜ばれたので 新たに絵本にしたものだとか。
頭の固い大人の私は 泥棒を題材にするの?などと思ってしまったのだが・・・・
もうひとつ「おはなしのほん」の中の 「からすのパンやさん」も きらわれもの(?)のからすが 実に愛らしく書かれていて 読んでいて楽しい本。
「にんじんばたけのぱぴぷぺぽ」も面白かった~
荒れていた土地を豚たちが開墾しておいしい野菜を収穫する・・・
発想が豊かで 題材にするものも様々だったが 根底にあるのは全て 子どもたちの幸せを願って・・だったという。
講演を聞きに行ったこともある。たしか加古さんはそのころ60歳手前だったと思う。
どういう演題での話だったかは忘れてしまったが まじめ そのもののような性格で 科学者からの視点でのおはなしも楽しかったし 子どもだけではなく 生きとし生けるものすべてへ愛情を注いでいると思えるおはなしの内容だった。
ずいぶん前から 緑内障を患っておられたが それでも創作の意欲が衰えることはなかったそう。
今回の新聞記事によると 最近になってからも 「だるまちゃん」シリーズもさらにいくつか出版しておられる。
工学博士だから 「かわ」のような 自然科学の本も多く出版されているが いろいろ思いがけない動物などが登場する絵本が大好き!!
また図書館で借りて楽しみたいと思う。
追記(2018.6.5)
昨夜NHKの「人間ドキュメント」で かこさんを今年3月11日からひと月取材した様子が放映されていた。
番組の最初に【これは追悼番組ではありません】というテロップが流れた。
加古さんの様子は体力が落ちているご老人そのもので 長年緑内障を患っておられるので 見えにくそうにしておられるし 話す言葉も弱々しい。
でも「本を作りたい」という意欲があるのがよく分かり 頭は極めてはっきりとしておられる。 絵を描く体力がなくなっているので これまで構想を練りストーリーが出来ているものを 他の画家さんに託すことを編集者や長女万里さんに すすめられる。
最近加古さんのお世話をずっと長女万里さんがしておられることを知っていたが 「娘としては酷なのかもしれない、 でも かこさとしの応援団としては・・・」と 声を詰まらせながら まだ本を作ってほしい気持ちをうちあけておられた。
上品な奥様や二女さん、長女の配偶者の方、お孫さん二人も映像にも出てきたが 全員でかこさんをサポートしておられる。
かこさんは 戦争に関わった後悔から 【子供の応援団として生きる】と決めたそうで
終始一貫それを貫いた。
○大人に染まらない子供に未来を託そう
○未来を築く子供に育ってほしい
このような強い気持ちのもと 本をつくり続け そして【子どもさんをあなどるな】と
常に手を抜くことなく 細かいところまでの絵、これは加古さんのきちんとした性格そのもののように感じた。
「だるまちゃんとうらしまちゃん」「みず」の本のストーリーはすでに出来上がっていて数枚の原稿も見えた。
「みず」に関しては うんと幼い子供に科学を教えたい一心で どうやったら 優しくくだいて説明できるか考えておられ 絵の担当をお願いする鈴木まもるさんと 相談しておられた。
92歳の誕生日には ノンアルコール飲料を口にされ お孫さんからのプレゼントを手にされた。
それはガクに入った絵、かこさんの似顔絵が大きく描いてあり その周りにはこれまでの絵本のキャラクター(だるまちゃん てんぐちゃん そのほか)がたくさん かこさんを囲んでおり そのうちのひとりが うちわでかこさんをあおいでいた。
体調の悪いかこさんをいたわっている・・・泣けてきた。
にこにこと「よく似ているね~ありがとう」と口にされた。
最後の最後まで 絵本造りに情熱を注いでおられ 本当にすばらしいかこさん、ご冥福をお祈りさせていただく。
ほんの数か月前にもラジオで お声を聞いていたので とても残念だ。
かこさんは 東京大工学部を卒業されている。
少年時代軍人にあこがれていたかこさんは 戦後【子どもたちは自分のような判断の過ちを起こさないように】との思いから 自作の紙芝居をよく見せたそうである。
私が子育て中 様々な絵本に出会ったが 加古さんの本は一種独特の雰囲気を持っていた。
そして 細部にわたるまで細かい表情、思いがけない突飛な題材で どの絵本も子供ももちろん 大人になっていた自分も楽しめた。
「だるまちゃんとてんぐちゃん」や「だるまちゃんとかみなりちゃん」など だるまちゃんシリーズは 真っ赤なだるまちゃんは愛らしく 幼い子供の好奇心をくすぐり 細かいところまで描かれていてそんな絵は その都度 その変化に子どもたちは気づき喜ぶ。
「おはなしのほん」シリーズの 「どろぼうがっこう」には仰天した。
これは 白黒で走り書きしたものの紙芝居を子どもたちに見せたところ、とても喜ばれたので 新たに絵本にしたものだとか。
頭の固い大人の私は 泥棒を題材にするの?などと思ってしまったのだが・・・・
もうひとつ「おはなしのほん」の中の 「からすのパンやさん」も きらわれもの(?)のからすが 実に愛らしく書かれていて 読んでいて楽しい本。
このいろいろなパンもおいしそう・・ |
めずらしいパンを求めてパン屋へ行くからすたち 表情がすべて違っていて楽しい 幼児はその表情を見て楽しむ!! |
「にんじんばたけのぱぴぷぺぽ」も面白かった~
荒れていた土地を豚たちが開墾しておいしい野菜を収穫する・・・
発想が豊かで 題材にするものも様々だったが 根底にあるのは全て 子どもたちの幸せを願って・・だったという。
講演を聞きに行ったこともある。たしか加古さんはそのころ60歳手前だったと思う。
どういう演題での話だったかは忘れてしまったが まじめ そのもののような性格で 科学者からの視点でのおはなしも楽しかったし 子どもだけではなく 生きとし生けるものすべてへ愛情を注いでいると思えるおはなしの内容だった。
ずいぶん前から 緑内障を患っておられたが それでも創作の意欲が衰えることはなかったそう。
今回の新聞記事によると 最近になってからも 「だるまちゃん」シリーズもさらにいくつか出版しておられる。
工学博士だから 「かわ」のような 自然科学の本も多く出版されているが いろいろ思いがけない動物などが登場する絵本が大好き!!
また図書館で借りて楽しみたいと思う。
追記(2018.6.5)
昨夜NHKの「人間ドキュメント」で かこさんを今年3月11日からひと月取材した様子が放映されていた。
番組の最初に【これは追悼番組ではありません】というテロップが流れた。
加古さんの様子は体力が落ちているご老人そのもので 長年緑内障を患っておられるので 見えにくそうにしておられるし 話す言葉も弱々しい。
でも「本を作りたい」という意欲があるのがよく分かり 頭は極めてはっきりとしておられる。 絵を描く体力がなくなっているので これまで構想を練りストーリーが出来ているものを 他の画家さんに託すことを編集者や長女万里さんに すすめられる。
最近加古さんのお世話をずっと長女万里さんがしておられることを知っていたが 「娘としては酷なのかもしれない、 でも かこさとしの応援団としては・・・」と 声を詰まらせながら まだ本を作ってほしい気持ちをうちあけておられた。
上品な奥様や二女さん、長女の配偶者の方、お孫さん二人も映像にも出てきたが 全員でかこさんをサポートしておられる。
かこさんは 戦争に関わった後悔から 【子供の応援団として生きる】と決めたそうで
終始一貫それを貫いた。
○大人に染まらない子供に未来を託そう
○未来を築く子供に育ってほしい
このような強い気持ちのもと 本をつくり続け そして【子どもさんをあなどるな】と
常に手を抜くことなく 細かいところまでの絵、これは加古さんのきちんとした性格そのもののように感じた。
「だるまちゃんとうらしまちゃん」「みず」の本のストーリーはすでに出来上がっていて数枚の原稿も見えた。
「みず」に関しては うんと幼い子供に科学を教えたい一心で どうやったら 優しくくだいて説明できるか考えておられ 絵の担当をお願いする鈴木まもるさんと 相談しておられた。
92歳の誕生日には ノンアルコール飲料を口にされ お孫さんからのプレゼントを手にされた。
それはガクに入った絵、かこさんの似顔絵が大きく描いてあり その周りにはこれまでの絵本のキャラクター(だるまちゃん てんぐちゃん そのほか)がたくさん かこさんを囲んでおり そのうちのひとりが うちわでかこさんをあおいでいた。
体調の悪いかこさんをいたわっている・・・泣けてきた。
にこにこと「よく似ているね~ありがとう」と口にされた。
最後の最後まで 絵本造りに情熱を注いでおられ 本当にすばらしいかこさん、ご冥福をお祈りさせていただく。
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