劣等感

人間だれしも劣等感を持っていると思う。
程度の差はあるだろうがおそらくだれもが・・・・・

他の人にはなんでもないことでも 本人が感じる劣等感もあるだろうし、内面的外面的おそらく百人百様だとは思う。

吃音(きつおん)、つまりどもる人が こんなに深く悩み傷ついているとは この本を読むまで気がつかなかった。
今回この本を読んで 吃音で苦しんでいる人の 苦しみ、つらさを思い 何度も涙が出てきた。


小学校の同級生に吃音の子がいた。
担任の先生は授業中、その子に当てて発表させるときには 小さな声で「オチツテ・・」とささやいていた。
男の子だったが 同じクラスの男子が吃音をからかったりしているのを見たこともないし、ましてや 真似をして「ボ、ボ、ボ,ボクは・・」などと言ったりすることなど全くなかったように思う。

この本の著者 近藤雄生さんは自身も吃音に悩み苦しめられ、言葉が出なくて苦しんだ時期があり 人間関係への影響が大きいことから 本人や家族、言語聴覚士ら90人ほどに出会い、取材を続け17年もかけてこの本をまとめたそうである。
他者とのコミュニケーションが欠かせないこの社会において 言葉で相手に理解してもらうのは難しいということは 考えてみたら 当人にしか分らない苦しみだろう。

子ども時代にいじめにあうだけではなく、就職の面接で 吃音のせいで繰り返し落とされる苦悩、採用されても職場で電話に出られなくてパワハラに合って退職せざるを得なくなった人、 様々な場面で苦しみ、その苦しみを誰に伝えることもできず 命を絶ってしまう人  等々・・

日本では100人に一人の吃音者がいるらしい。
そして吃音は圧倒的に男性の方が多いようである。

これだけ苦しんでいる人が多いのにもかかわらず 吃音の原因は突き止められず 治療法も確実なものがないのだそう。

大人になるに従い 徐々に回復していく人もいる一方、 確実に治る方法もなく 逆に吃音の人々の仲間とともに生きやすい社会で過ごすことを考える人、など 吃音の人の向き合い方も様々。

吃音を矯正するとの看板をあげて 多額の金額を徴収しているようなところもある一方、
ある吃音者は自分がだんだん改善された方法で 別の吃音者に無料で通ってもらい、かなりの長期間かかったものの徐々に吃音が減っていく様子も記されていた。
吃音がなくなっていくと 他者との人間関係だけではなく、生活力も向上し、子どもの接し方も変わって行く…・それほど吃音がいろいろな面に関することがよく分かった。


強く感じたことは 人の悩みなど内面を他人が理解することは不可能であるものの
なにかにつけて その人の立場になって考えることが大事!ということ。



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