家族って??
血のつながらない大人の間をリレーされ、 でも本人は全くそれを苦にもせず 17歳になった森宮優子。
本人が全く覚えていない産みの母、そのあと母になった気ままな梨花さん、父親は本当の親を入れて3人。
それでも愛情たっぷりに育ててもらった優子自身は 全く不幸とは考えていない。
とてもおっとりしている。
3人目の父「森宮さん」とはお互いに 「森宮さん」「優子ちゃん」と呼び合い 一緒に夕ご飯を食べている場面が多く出てくる。
森宮さんは東大出の会社員なのに 優子ちゃんとご飯を一緒に食べられる時間に帰ってきていて 頻繁にかなり手の込んだ料理を作って優子ちゃんを喜ばせようとする。
読みながら 「ありえない」「ありえない」と何度も思った。
でも血がつながっていなくても母親になろうとした梨花さんが
「優子ちゃんの母親になって 明日が二つになった」
「自分の明日と自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日がやってくる、親になるって未来が二倍以上になることだよ」
こんな考えで 縁あって母娘関係を作ることになった娘と楽しく暮らしていけたら 楽しい日々だろうと思う。
優子ちゃんが結婚することになって 森宮さんと離れることになった時に
優子ちゃんが「高校生の私を引き取ることになった時に ちょっとは抵抗あったでしょ?」と 森宮さんに投げかけると
「子供のころから必死に勉強して東大に入り 一流企業に就職して そこでゴールした感じがしちゃって 目指すものが何もなくなって自分の時間を持て余していたのさ」
「・・・」
「自分じゃない何かのために時間を費やすってこんなに意味のあることなんだと知った。自分のためでは出来ないことも子供のためならできる」
なんだか作りごとのきれいごとばかり・・という気が読みながらずっとしていたが
読みながら 「気持ちがやさしくなれる本」「心が落ち着く本」なのも 間違いない。
そして・・・結末がすばらしい!!
結婚式に3人の父親全員がそろって出席。
バージンロードを 優子ちゃんと腕を組んで歩いたのは・・・・・?
この場面では 涙があふれ出た。上手にまとめられている。
この本は 2019年本屋大賞に輝いたもの。
どちらかというと 女性向きの本かも知れないが 読んで気持ちがやさしくなれたような気がする
コメント
コメントを投稿