料理は自由への扉!!
あとがきに 「料理は自由への扉。自分で自分の人生を歩きたければ誰もが料理をすべき。男も女も子供も」と書いてある。
稲垣えみ子さんは 朝日新聞記者の時代から 文章が面白くてファンだったが 東日本大震災後、電気を使う生活から縁を切りたいと思って クーラー、炊飯器はもちろん洗濯機、掃除機そして冷蔵庫も使わない生活を始めたということで 「そこまで徹底できるとは・・・!!」と思っていた。 お鍋でご飯を炊くことはできるとしても 冷蔵庫のない生活とは・・と。 その後の食生活は 「メシ、汁、漬物」が基本とか。
この本を読んだら それでもとても豊かな食生活をしておられることが分かり この本(図書館で借りている)を手元に置いておき 日々参考にしたい、と思った。とにかく稲垣さん流に工夫をして食べれば 平凡なものでも毎日おいしく食べられるのだとか。そしてわずか10分、20分で食事の支度ができるのだそう・・・すご~~い!!
干し大根を我が家でも最近使うようになったが 稲垣さんによると 干し大根をおろして食べると 味の濃い大根おろしになるそう、もちろん乾いているのでおろし金の上でくねくねするし おろしにくいけれど おいしいのでつい干した大根をおろしているのだとか。生の大根おろしは水っぽすぎ・・・と。
干し野菜のことをいろいろ書いてあったが ゴボウ、里芋、トマト、たまねぎなどのほか エノキダケを半日干すと だしが出てとてもおいしいのだとか。キノコは干しシイタケが一般的だけれど 確かにエリンギとかもさっと干すとうまみが増すのは経験済み。
味噌は発酵食品だから いろいろな干し野菜にお湯を入れ味噌を溶かすと立派なみそ汁になるという。ほかのものでだしをとる必要はないのだとか。温かいものは心を豊かにするので必ずみそ汁を作るらしい。確かにそう・・寒い時期ならなおさら温かいみそ汁があるとほっとするよね。
それと ありとあらゆるものをぬか漬けにしている。
こんにゃくや厚揚げ、ゆでたタケノコなども・・・。厚揚げは 少しだけぬかを落として焼き焦げ目をつけるとおいしいと。ぬか漬け野菜をサラダにしたり、ほかの野菜などと炒め物にしたり・・・・ちょっと物足りないと思ったら オリーブオイルを足したり、ポン酢をかけたり・・・油とポン酢だけは 少し高価な良品を使うようにしているとか。
ぬか漬けは我が家でも夏には必ず作っているが たいていキュウリ、ナス、大根くらいだ。冬場はそのぬか床を一部保存しておいて 次の夏には新しいぬかを足して使っているが 稲垣さんのように年中何でも漬けていると 手入れ不足になることもないという。読んでいたら 私も今の時期からぬか漬けを始めよう!!と思った。
なるべくそしてもう一つ・・・・なるべく旬の野菜を使うこと!栄養価も高く値段も安い。そして素材を無駄にしないため 大根の葉などはもちろん 大根,人参、里芋の皮なども工夫して利用している。それからピーマンの種や なすびのヘタなども・・・。ゴーヤのワタも利用している。
そういえば昨夏ゴーヤを近所から次々もらい うちでもゴーヤのてんぷらを作ったがその時に 中のワタもおいしく食べられた。なんでも捨てようとせず 工夫すれば食べられるものをこれまで捨てていたかもしれない。
カラー写真で十数点メニューが出ているが 決して手抜きな料理という感じもしないし、まして一食わずか200円ほどの食事のようには思えない。
『米さえあれば 災害時にも・・』などとも書いてあるが とにかく 『おいしいもの』という概念が 覆されるような感じ。
そういえば 数日前 同年齢の人と話しているときに 「もういつ死んでもいいけれど おいしいものを食べてから死にたい」と言った人がいた。私が「おいしいものって どういうもののこと?」と聞いたけれどその答えはなかった。幼いころ家族が大勢だったし戦後まもなくで なんとなく「いつもおなかがすいていた」という思い出がある私は 現在のようにスーパーに行けば なんでも手に入る時代は3食しっかり食べられるだけで十分幸せなので「おいしいものを食べて云々」のコメントは意外だったのだが・・・・
この本を読む前にもう一冊稲垣さんの本を読んだ。
この本に関しては 2018.6にブログに載せている
昔の新聞記事なども載っていてその部分は 「あー読んだことある~」と思いながら なつかしかった。新聞記者をやめたからこそ書けたという部分もある。いずれにせよ しっかりとした信念、哲学を持っていて聡明な人だということが良くわかる。
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